日本人が好きで、外国人が好きじゃない物といえば、何ですか?
なっとう?いいえ。なっとうは日本人でも嫌いな人がたくさんいるし、外国人で好きな人もいます。
それは「ビールの泡」です。日本人がビールを飲む時、レストランはもちろん家でもきれいな泡を作ることが大切です。金色のビールと白い泡の黄金比率は7:3で、細かい泡がビールをより美味しくするそうです。その泡の作り方は色々なところで教えられています。でも、30%も泡があると、「もったいない」という外国人もいるぐらい、外国人にとってビールの泡は価値がないんですね。おもしろいです。
さて、今回はリクエストがあった「~なさそう」と「~なそう」について説明します。『問題な日本語』(*1)という本を参考にします。
まず、「ない」を三つに分けます。
- 時間が ない、食べ物が ない、など:「ない」だけで一つの単語
- おいしくない、暑くない、など:形容詞のない形の一部
- できない、知らない、など:動詞のない形の一部
明日 忙しいな。あなたと会う時間が なさそう。
この店でみんな たばこを吸っているね。禁煙席が なさそう。2の場合も、1と同じで、「ない」+「そう」(様態/seem)は「い」が「さ」に変わります。
このケーキは おいしくなさそう。
今日は くもりだね。暑くなさそう。3の場合は、「ない」+「そう」(様態/seem)は「い」を取って、「そう」を付けます。
このゲームは難しいね。子どもには できなそう。
彼はこの町の人じゃないから、駅の場所を 知らなそう。これが基本の文法です。ただ、現在は3の場合にも1と2の「~なさそう」を使うようになってきています。そして、それを間違いとは言えず、言葉の変化と考えています。そして、両方が同じくらい使われていると思います。こうなった理由は日本人が「ない」を1、2と3に区別していないからだと思います。私も1、2と3の「ない」を別のものとしてほとんど考えません。
それから、様態 (seem) の「そう」の否定形はもう一つあります。二つの否定形を並べると、
A. 空が 明るくなった。雨が 降らなそう。
B. 空が 明るくなった。雨が 降りそうにない。Aの文は「雨が降らない」ように見える/「雨が降らない」可能性があるという意味。
Bの文は「雨が降る」ように見えない/「雨が降る」可能性が低いという意味。
私はAとBの意味合いはほとんど同じで、どちらを使うかはその人次第、またはその場次第だと思います。
ところで、日本人がこだわるビールのきれいな泡の作り方に興味がある方はこちらをご覧ください。ビデオまでありますよ。
http://www.sapporobeer.jp/book/pleasure/chapter01/index.html
*1 『問題な日本語』、北原保雄編、大修館書店、2005年
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