*English translation
お正月までは暖冬だったのに、このところはずっと寒い日が続いていますね。東京を含む首都圏の典型的な冬の天気は寒くても、青空の「冬晴れ」です。昼間は太陽の光で暖かさを感じますが、日が暮れると寒くなりますね。外国人は日本人より薄着の人が多いので、「寒くないのかな~」といつも疑問に感じていますが、体が大きいからか、寒さに慣れているからか、大丈夫なんでしょうね。
さて、みなさんは今までに「日本語は話しにくい」とか、「日本語は読みにくい」とか言ったことがありませんか?これを聞くたびに、私は何かがおかしいと感じています。他の場面でも「~にくい」の使い方には間違いが多いです。その理由は単純です。
「~にくい」= "difficult to do" とのみ覚えているからです。でも、それだけでは足りません。もう一つの条件が必要になるんですよ。それは何でしょうか?
例えば、蟹(かに)ってどんな食べ物でしょうか?味はいいけど、殻を割ったり、外したりしなければいけないので、面倒臭い食べ物ですよね。
A 蟹はおいしいけど、食べにくい。次の例は、もうお腹がいっぱいなのに、どんどん食べ物が出て来て、全部食べることができない場合です。
B お腹がいっぱいだから、全部食べるのは難しい。Aは蟹の形や殻のせいで、食べるのが難しい。蟹の特徴に問題があります。
Bは食べ物自体に問題はありません。お腹がいっぱいで、食べられないのは能力、他の言い方をすれば許容範囲の問題です。
もう一組の例をあげます。
日本人はワインや日本酒を一口飲んだ時に感想として、よくこう言います。
A このワインは飲みやすいね。これは「このワインの味や香りが良いので、おいしく飲める」という意味で、ワイン自体の性質のおかげです。
一方、1本のワインを1人で飲むことはできないけれど、2人ならできる場合、
B 2人ならワインを1本飲むことは簡単です。これはワイン自体の質には関係なく、能力や許容範囲の問題です。
つまり、Aの「~にくい」を使う場合は、その物の性質や特徴のせいで、「~するのが難しい」ということで、「~やすい」はその物の性質や特徴のおかげで、「~するのが簡単」ということになりますね。
一方、Bの「~するのは難しい/簡単」は話し手などの人が、その行動をする能力や技術がない/あるという意味になります。また、能力や技術の有無だけではなく、外的要因に影響されることもあります。
では、次にもう一つのポイントから見てみましょう。
ワインを飲んでいる時にワインをテーブルクロスにこぼしてしまいました。
A ワインのしみは 落ちにくい。
B ワインのしみを 落とすのは 難しい。Bは「話し手にワインのしみを落とす技術や知識がないため、しみが残ってしまいそう」という意味ですね。 それで、「落とす」は話し手の行為ですから、ここで使う動詞は必然的に他動詞、または行動を表す自動詞(例えば、行く、走る、入るなど)になります。
Aの方にこういう限定はありません。
では、最後に上の説明に基づいて、「日本語は話しにくい」と「日本語は読みにくい」について考えてみましょう。私は今までどうしてこの使い方が間違っているのかをうまく教えられなかったのですが、ある結論に到達しました。私の解釈を下に書きます。
日本語は「西洋の言語とは全く違う」、「ひらがな、かたかな、漢字が複雑」という性質があって、確かにそのせいで外国人にとって話すのも、読むのも難しいでしょう。だから、Aが使えるように見えますが、こう考えてみてください!
日本人にとって日本語の性質や特徴は普通のもので、難しいとは感じませんね。日本人が「日本語を話しにくい」と言うことは有り得ません。そこから、言語の難しさは「その性質より、個人の能力や技術によるものだ」と考える傾向があるのかもしれません。
その代わり、「話しにくい」は次のような場合に使われます。
「あの人はいつも怒っていて、こわそうだから、話しにくいな。」 あの人のこわい性格のせいで、声をかけるのが難しいという意味です。
「話しにくい」にはこういう使い方があるので、言語の難しさには使われない。これが私の意見です。
どうでしょうか?「話しにくい」の使い方に納得できましたか?
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