*English translation
先日、日経新聞(日本経済新聞)を読んでいたら「ニホンとニッポン、どっちを使うか?」という記事がありました。ニホンを使う場合とニッポンを使う場合の例や、言葉の歴史などが書かれていて、興味深かったです。皆さんも疑問に感じたことがありますか?
私が日本語を教えてきた経験では、Japan が日本語で何か知らない方もかなり多いですし、知っている方は Japan = Nippon と思っていることが多いです。私自身の日常生活では「ニホン語を話す」「ニホンに住んでいる」「ニホン酒を飲む」など、「ニホン」ばかり使って、「ニッポン」を使うのはまれです。でも、特に会社名、学校名、団体名で「ニッポン」が使われることが多いようです。新聞記事の中に、「2009年の閣議(内閣による議論)でニホンとニッポンはどちらも広く通用しているので、どちらでも構わない。統一する必要はない。」と決定されたと書いてありました。
私が「ニッポン」を使う例として思い浮かぶのは、唯一私が好きなスポーツ、サッカー日本代表チームを応援する時に「がんばれ、ニッポン!!」と言うことです。記事にもありましたが、スポーツの場合は「ニッポン」を使うことが多くて、それには言葉の印象が関係しているそうです。「ニホン」はやわらかい印象、「ニッポン」は力強い印象です。
この印象の違いはみなさんもわかりますか?やわらかい「ほ」の音に対して、「ぽ」は力を入れて音を出しますね。この違いが日本語の特徴の一つである擬態語/擬音語を作る原点になっていると思います。
は行(はひふへほ)の印象はやわらかく、力が抜けている感じです。また、ぱ行(ぱぴぷぺぽ)の印象は軽く、はじける感じです。『日本語擬態語辞典』(*1)に書かれている例を見てみましょう。
へらへら:意味もなく軽薄に笑うさま。あいまいに笑うさま。また、言動が軽々しい感じ。
これは楽しく笑うのとは違って、理由がないのにだらしなく笑っていることです。みんなが真剣に何かをしている時に、力を抜いて気味悪く笑っている人、時々いますね。
ぺらぺら:①軽薄によくしゃべるさま。 ②外国語を流暢にしゃべるさま。
外国語を上手に話すことを「ぺらぺら」というように、これにはある程度のスピードがあって 、テンポの良さが感じられます。このようにそれぞれの行に音の特徴があります。特にわかりやすいのが「か行」「さ行」と「が行」「ざ行」ではないでしょうか? か行は軽い、かたい感じで、さ行はさわやかな感じです。これに対して「〝」が付くが行とざ行はあらい、不快な感じがあります。
そして、こういう音の印象は日本人だけが感じるものではなく、ある程度、万国共通だと私は思っています。例えば、英語の"pop"(ポップ)という単語は先ほど述べたぱ行の印象と同じで、「(軽く)はじける、(軽く)飛び出る」という意味がありますね。また、"crisp"(クリスプ)も、クやスの音から「かりかり」「さくさく」といった食べ物をかんだ時の軽快な音と同じ印象です。みなさんはどう思いますか?英語以外の言語でもこんなことがありますか?
*1 『日本語擬態語辞典』、五味太郎(ごみ たろう)、講談社、2004年
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