米長官、日中対話期待 日米外相会談これは9月24日の朝日新聞のあるニュースの見出しです。漢字ばかりで、まるで中国語みたいですね!この見出しの中に国名が三つ含まれています。どの国でしょう?漢字が読める方には簡単だと思いますが。
答えは、アメリカ、日本、中国ですね。「米」はアメリカを表しています。カタカナより、漢字の方が文字数が少ないですね。だから、新聞の見出しなどは大切なポイントだけを、シンプルに表したいので、漢字の国名を使うのがぴったりなのです。「単純化」したい場合だけに使われます。いつも、漢字の国名を使っている訳ではないので、注意してください。
今日は「国名を漢字で書くと、どうなるか?」を皆さんに見せたいと思います。
まず、もともと漢字の名前がある国や都市は、「日本」と「中国」と「韓国」と「北朝鮮」と「台湾」、「香港」など。上の「日中」とは「日本と中国」という意味です。
次に、今でも漢字の国名が使われている国は下記の国々です。
- アメリカ: 米国
- イギリス: 英国
- イタリア: 伊太利亜
- インド: 印度
- オーストラリア: 豪州
- オランダ: 阿蘭陀
- カナダ: 加奈陀
- スペイン: 西班牙
- ドイツ: 独逸
- フィリピン: 比律賓
- フランス: 仏蘭西
- ベトナム: 越南
- ロシア: 露西亜
- ヨーロッパ: 欧州 (*国名ではないけど)
すべての国の名前を漢字で書くことは明治時代まで続いたそうですが、大正時代からはカタカナが主流になって、今では上の国々の名前だけが使われています。ですから、新聞などではほとんどの場合、カタカナで書いてあります。
日本語の三つの文字の基本は、「漢字には意味があるけど、ひらがな・カタカナには意味がない」ですね。でも、国名の漢字には意味がありません。外国語の国名の発音を聞いて、その音に似ている漢字を使っているだけです。
例えば、「インド=印度」。「印」は「いんかん」の「いん」。意味は "seal, stamp"。「度」は「おんど」の「ど」。意味は "degree(s), time(s)"。
アメリカ=米国。「米」の意味は "rice" 。日本こそが "rice country" ですね。
フランス=仏蘭西。「仏」の意味は "Buddha" 。これも日本の方が良さそうでね。
このように、漢字名には意味がないのです。ちなみに、中国語でアメリカは「美国」(beautiful country) 。これも発音から取った漢字です。
でも、おもしろいことに、国名の意味を基に付けられた漢字の名前もあるんですよ。
例えば、歴史的に日本と関係が深いポルトガル。
- ポルトガル: 葡萄牙 「葡萄」は「ぶどう」と読み、意味は "grape" です。16世紀にポルトガルが日本にキリスト教や銃、ワインを持って来たからでしょう。
- コートジボワール: 象牙海岸 「象牙」(ぞうげ)は "ivory"、「海岸」(かいがん)は "coast"。
最初の文、「米長官、日中対話期待 日米外相会談」の意味は、「日本の外務大臣とアメリカの会談で、アメリカの長官、ヒラリー・クリントンが日本と中国が対話をすることを期待していると言った」です。
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